とりあえず、"SO WHAT?"

30代後半からエンジニア転職を目指すパート主婦が、転職活動や日々思った事を自由気ままに綴る雑記ブログ

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人生を賭けた敗者復活戦!!30代後半から挑むエンジニアまでの道-転職活動編4-【結局、さらに2社応募する】

会社を比べる女性

結局オージーは強かった…

会社などの組織が従業員を雇う。

従業員(雇用者)は会社の収益に貢献し(つまり仕事をし)、会社(雇用主)はその働きに対して従業員に賃金を払う。

 

とてもシンプルにまとめましたが、これが雇用の仕組みです。

さてこの雇用という制度ですが、長い歴史を鑑みた時おそらくかつての奉公制度から来ているのではないかと個人的には思います。

例えば中世日本で武士の主従関係の中心だった『御恩と奉公』という制度。

これが最もわかりやすい例かと思うのですが、これは主人が従者の所領支配を保障したり新たな土地を与える代わりに、従者が主人のために軍役や警護・警察業務を担う制度です。

この御恩と奉公は主従関係が基盤になっていますが、現在の雇用制度でもこの流れをくみ、『雇う側(会社)=主人』、『雇われる側(従業員)=従者』というパワーバランスが存在している気がしてなりません。

これまで私が勤めてきた病院や施設では、「給料を頂いているんだから職員は経営者に感謝し、経営者のやり方には文句を言わず黙って従うべき」という風潮がごく当たり前にありました。

現職場は特に酷く、賞与をもらったら社長に「社長、賞与をありがとうございます!」と役職から順に電話してお礼を言わなくてはならなかったり、「会社の命令ではー」や、「として始末書と誓約書社長宛に書いてもらいます」など、支配的な単語が日常的に飛び交ったりします。

私自身フランス人に負けず劣らず『自由、平等(対等)、博愛』をこよなく愛する人間であり、かつ理不尽で筋の通らない事がなかなか受容できないタチなので、そんな職場に対して(あったまおかしいんじゃねーの?!)と中指を立る事もしばしばあります。
(もちろんフワちゃんのようにガチにはやりません。あくまで心の中でです)

しかしこういう化石のような組織に限って自分達がいかに時代遅れかという自覚に乏しく、新しい価値観を受け入れる度量もないので、反発しようものなら即異端者と見なされ日常的にたくさんの不利益を被る事になります。

そして令和も4年目に入ったというのに、残念ながらこのような組織が日本にはまだまだたくさん存在しているのもまた事実です。

なので私は目の前の若者(オージー)にこの事実を丁寧に話した上で「つまり雇って下さいと言っている転職者というのは圧倒的に立場が弱い。それを痛いほど経験してきた身からすれば、複数応募して会社を天秤にかけるなんて大胆な事、『みんなやってる事です』と今更言われても『はいそうですか』と言ってすんなりできない」と説明しました。

しかしオージーは苦笑いを浮かべ、「何言ってるんですかまつかぜさん。企業と転職者はあくまで対等ですから」と言いました。

オージーは続けます。

「だってあの人達は何十、何百という応募者の中から採用する数人の人間を選定するんですよね?ならどうして僕たち転職者側が複数の会社に応募して会社を天秤にかけたらいけないんですか?こっちだって人生かかってるんですよ?

(あれ?君帰国子女だったっけ??)

オージーのリベラルな視点と考え方は評価できます。

「しかしそれはあくまで理想論であって、現実はそうじゃないですよね?」

もはや何が発端でこんなスケールのでかい話になってしまったのかとうに忘れましたが、現実と理想の間で私はしつこく食い下がりました。

するとオージー「では問題はまつかぜさんの考え方にあるという事ですね」と一蹴し、「それなら今すぐ変わりましょう!」と、自己啓発セミナーの講師ばりに熱く訴えてきました。

完全にオージーの勢いに気圧された私は、結局ジャイアンに睨まれたのび太よろしく、彼が見守る中2社(キープ)に応募しました。

理学療法士の就職(転職)活動

ここで皆さんの中には、「私は学生の頃、就職活動で数十社応募したよ。この人こんな事言ってるけど就職活動の時どうしたの?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。

例えばエンジニアは技術職にあたりますが、殊未経験のエンジニアというのは、言ってしまえば『技術のない技術職』という事になります。

つまり1、2年は会社への貢献が期待出来ないので、会社としてはその人のポテンシャルや人間性に賭けるしかなく、選考時の目が厳しくなるのも納得できます。

理学療法士もエンジニアと同じく技術職ではありますが、理学療法士は国家試験に合格して資格を得れば例え臨床経験が全くなくても単位は取れますので、すぐにでもそれなりの収益を出す事ができます。

なので『学校の成績が致命的に悪い』、『とにかく人間性がヤバい』、『社会人としての常識に著しく欠ける』、『応募先の競争率が異常に高い』というわけでもなければ、割とスムーズに内定を得られると思います。

しかし政治誘導的に養成校が激増し、毎年たくさんの理学療法士が誕生するようになりました。

その結果エグいほどの買い手市場になってしまったので、そもそも自分の希望する求人を見つけられるかどうかという点では、鳥取砂丘で落としたコンタクトレンズを探し出すのと同じくらい困難だと言っていいでしょう。
私が大学受験をした頃の理学療法士養成校は全国で163校でしたが、2022年2月現在募集を行っている養成校は全国で263校あり、定員総数は14,574名です。毎年こんなに多くの理学療法士が誕生したら、近い将来飽和状態になり、就職浪人をせざるを得ない理解療法士も出てくる事でしょう)

さて。

何はともあれ、これまで理学療法士免許という印籠のおかげで内定をもらえない苦労というのを味わった事がなく、さらに強烈な違和感を感じつつも『雇用主が上、雇用者は下』という価値観にどっぷりとさらされてきた私。

長らくそんな畑でやってきましたので、世間一般の就職(転職)活動に関してはただただ無知で、かつ転職者という立場をどこかネガティブに捉えていました。

なので今振り返ってみるとこの時のオージーとの論争は、そんな私とオージーの間にあった価値観や考え方の違いが原因で勃発したものだったと思います。

しかしこれを機に私の価値観や考え方は大きく変化し、さらにその変化はその後の転職活動においていい影響をたくさん与えてくれました。

まさか書類選考をパスするとは思いませんでした

オージーの圧に負けたからとはいえとんでもない事をしでかしたと思った私は、仕事から帰って来た夫に事の顛末を説明しました。

私の話を全て聞き終えた夫は全面的にオージーの意見を支持し、こう言いました。

「今転職活動で君の1番の味方は明らかにそのテックキャンプのキャリアアドバイザーさんでしょ?なら味方を味方の位置につけて置くためにも、アドバイスは素直に聞いた方がいいよ。誰だってあれもこれもイヤだと突っぱねる人には何も言いたくなくなるからね。それにその人の言う通り、それくらいの事は転職活動では誰でもやってる事だよ。君は良くも悪くも義理堅いからやりづらいとは思うけど、そんなに気にしなくていいと思う。それに人事やってる人間ならそれくらいわかってると思うし、そこまで気にしないでしょうよ」

うまく説明できませんが夫のこの言葉には妙に説得力があり、「なるほどなぁ」と納得した私は、ようやく心の平穏を取り戻す事ができました。
(てか義理堅いはいいとして、良くも悪くもって失礼じゃね??)

そして翌日。

応募した2社のうち1社から不採用メールが届きました。

正直心のどこかでホッとしたのですが、ホッとしたのも束の間、なんともう1社からは面接の案内が来たのです。

「おいおい、どーすんだよぉぉぉっっ!!!」

まさかの展開に動揺した私は、すぐにオージーに報告しました。